事務職が楽だと思っているあなたへ。現実を知る10のポイント

この記事でわかること
  • 「事務職=楽」というイメージが実際とは異なる理由
  • 事務職に存在するさまざまな職種と仕事内容
  • 事務職で求められるスキルや働き方の現実
  • やりがいや、評価されにくい葛藤の正体
  • 「自分に事務職は合っているか」を見極めるためのヒント

「事務職って、楽そう」「座ってるだけで給料もらえていいよね」

こんな声を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。確かに、営業のように数字を追いかけたり、現場仕事のように体力を使ったりするわけではないため、一見“楽”に見えるのも無理はありません。

しかし、実際に働いている人たちからは「思ってたのと違った」「メンタルがけっこうキツい」という声が多く聞かれます。本記事では、そんな事務職の現実を10のポイントに分けてご紹介します。


1. 事務職といっても種類はいろいろ

「事務職」と一括りにされがちですが、実際にはさまざまな種類があります。仕事内容もそれぞれ異なるため、向き・不向きもあります。

たとえば「一般事務」は書類整理や電話応対、データ入力など幅広く対応するポジションです。「経理事務」はお金に関する処理が中心で、簿記の知識や正確な数字管理が求められます。「人事・労務」は採用や勤怠管理、「営業事務」は営業スタッフのサポート、「医療事務」や「法務事務」は専門知識が必要になる職種です。

事務=単純作業というイメージがあるかもしれませんが、その中身は想像以上に多岐にわたります。


2. 地味だけど会社に不可欠な存在

事務職は“裏方”として目立つ存在ではありませんが、実は会社の業務がスムーズに回るよう支える、非常に重要な役割を担っています。

営業が外に出て安心して仕事ができるのは、見積書や契約書を用意してくれる営業事務がいるから。社員が安心して働けるのは、総務や人事が制度や手続きを整えているからです。

成果が目に見えにくい仕事だからこそ軽視されがちですが、事務がいなければ会社は混乱してしまいます。


3. 日々の業務は意外と多忙

事務職の仕事は、ただデスクに座ってパソコンを叩いているだけではありません。日々の業務は想像以上に慌ただしく、いくつものタスクを同時進行する必要があります。

電話応対、来客対応、社内からの問い合わせ、資料作成、発注業務…。やることが多く、しかもそれぞれの締切や優先順位がバラバラ。気を抜くとすぐに抜け漏れが起きてしまうので、常にタスク管理を意識しながら動かなくてはいけません。

「暇そう」と思っていたら、むしろ逆だった…という人も少なくないのです。


4. スピードと正確性が常に求められる

事務職で何より大切なのは、「ミスをしないこと」です。どれだけ作業量が多くても、どれだけ納期が短くても、ミスは許されません。

請求書の金額を一桁間違えただけで、会社や取引先に多大な迷惑をかけてしまうこともあります。社内で扱う情報には個人情報や財務データなど機密性の高いものも多く、常にプレッシャーを感じながら作業しなければいけません。

「間違っても大丈夫」と思っている人には、正直きつい仕事です。


5. 人間関係のハブになるポジション

事務職は、社内外の多くの人と関わるポジションでもあります。営業、上司、経理、現場スタッフ、取引先…それぞれの要望や事情を汲み取りながら、調整・対応を行う必要があります。

ときには、無茶な依頼や理不尽なクレームを受けることも。相手の意図をくみ取り、冷静に対応しながら、関係を円滑に保つ力が求められます。

「人と関わるのが苦手」「自分のペースで黙々と仕事がしたい」という人には、予想以上にストレスがかかる場面があるかもしれません。


6. 感謝される瞬間がやりがいに

裏方の仕事であるがゆえに、目立つことは少ないですが、ふとしたときに「ありがとう」と言われることが、大きなやりがいになります。

たとえば営業担当が商談に集中できたのは、事前準備をしっかり整えてくれたおかげ。人事がスムーズに採用活動を進められたのは、スケジュール調整を丁寧にこなしてくれたから。

当たり前に思われがちな仕事ほど、感謝されると心に響きます。「誰かの役に立っている」という実感が、日々の励みになります。


7. 評価されにくいジレンマ

残念ながら、事務職は評価されにくい仕事でもあります。営業のように「数字」で成果が見えるわけではなく、仕事をミスなくこなしても「当たり前」と見なされてしまうことが多いのが現実です。

業務改善の提案をしても、それが当たり前のように受け入れられ、評価には反映されないケースも。自己肯定感が低くなったり、頑張っても報われないと感じることもあるかもしれません。

だからこそ、自分で仕事に意味を見出し、「誰かの役に立っている」と実感できることが大切になります。


8. 想像以上に神経を使う仕事

「身体的には楽かもしれないけれど、精神的に疲れる」——これは、事務職に就いている人がよく口にする言葉です。

細かい数字や文言をチェックする集中力、トラブル時の即時対応、締切や納期に追われるプレッシャー…。一見、動きが少ない仕事に見えて、実際はかなり神経をすり減らします。

帰宅後はぐったり、という人も少なくありません。


9. 意外と残業が多いことも

事務職=定時帰り、というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、会社によっては残業が多い場合もあります。とくに月末月初、繁忙期、人手不足の部署では、定時で帰れる日などほとんどない、という声も。

事務仕事の多くは「締切に間に合うかどうか」が重要なため、どうしても時間外労働が発生しがちです。特に責任感が強い人ほど、ひとりで抱え込みやすく、負担が偏る傾向があります。


10. 楽そうに見えても「ラク」ではない

「座って仕事してるだけじゃん」と思われがちな事務職。でも、実際に働いてみると、知識・責任・人間関係・スピード感といったさまざまなスキルが求められ、決して“ラク”とは言えない現実があります。

だからといって、つらいだけの仕事ではありません。会社や仲間を支えているという実感、縁の下の力持ちとして活躍できる喜び、感謝される嬉しさは、他の職種にはない魅力です。


まとめ

事務職は、決して「楽な仕事」ではありません。専門性、正確性、コミュニケーション力、柔軟性、そして責任感が求められる、奥の深い仕事です。

「楽そうだから」「立ち仕事が嫌だから」という理由だけで選んでしまうと、現実とのギャップに苦しむことになるかもしれません。

ですが、「誰かを支えたい」「組織の裏側から支えるのが好き」「細かい作業が得意」という人には、とてもやりがいのある仕事です。

あなたがもし今、事務職に興味を持っているなら、ぜひこの現実を踏まえた上で、一歩を踏み出してみてください。

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